「人生の、虚無の時間を減らしたい」「レンタル北大生」けむけむ(@chemchemxx)さんインタビュー

雑談

twitterのTLで今話題となり、猛烈に勢いづく北大生の「レンタル稼業」。

今回の記事は、その流行の中心であり、第一人者である「レンタル北大生」けむけむさんのインタビュー記事となります!

「レンタル北大生」のサービスはなぜ人気なのか?また、その実態などを明らかにしたいと思います!

そもそも、「レンタル北大生」とは?

「レンタル北大生」とは北大理学部4年の「けむけむ」さん(twitter @chemchemxx)が始めたレンタルサービスです。画像にもあるように「人生相談に乗ってほしい」「映画を一緒にみて欲しい」など、twitterのDMで依頼をすれば、けむけむさんがその用事に付き合ってくれるサービスとなっています。

現在は「労働」や「危険な」依頼以外ならなんでも受け付けてくれるそうです。そしてレンタル料は無料!(場所を指定した場合、けむけむさんがそこに行くまでの交通費が発生します。)

「レンタル北大生」のサービスが始まったのは2022年の12月。始まって間もないこのサービスですが、何とけむけむさんはこれまでで7件もの依頼をこなしてきたのだそう。

一体、なぜ多くの人がこのサービスを利用するのか?その人気の理由は何なのか?それを明らかにするため、今回私も「インタビューを受けて欲しい」という内容で「レンタル北大生」のサービスを利用してみました!

インタビュー

札幌駅北口「カフェドクリエ」にて

筆者(以下「筆」):こんにちは、各駅停車です。お忙しい中、時間を作っていただいてすいません。本日はよろしくお願いします。

けむけむさん(以下「け」):いえいえ、全然大丈夫です!お願いします。

筆:さて、さっそくけむけむさんのことについて聞きたいのですが、まずは「レンタル北大生」というサービスを始めたきっかけをお教えください。

け:発想自体は「レンタルなんもしない人」のパクリです笑

初めはビジネス的な視点からやっていこうって考えたんですよ。よくある、「バイト以外でお金を稼ぎたい」みたいな。「レンタル稼業」の本家の人たちのように、人と会ってお金を貰うみたいなビジネスを考えていました。

けど、実際にサービスをやってみて、今はそういうビジネス方向の気持ちは薄れていってますね。お金を求めるよりも、じゃんじゃん人と交流していきたいという方が強いです。

筆:なるほど…初めはお金を稼ぐことを視野に入れていたんですね。サービスを始めるにあたって何か工夫されたこととかはありますか?

け:サービスを始めるときは、twitterで「無料でコンサルします」みたいなアカウントにDMを送ってアドバイスを求めたんですよ笑

そしたらそのコンサルの人から「アイコンを自分の顔写真にするといい」ってアドバイスが来たんですね。顔が分かっていた方が安心感につながるらしいです。農家の「私が作りました」みたいな笑

筆:すごい笑笑結構ちゃんとしたコンサルの方に指導されたんですね。これは完全に偏見なんですけど、twitterの「無料コンサル」の類って結構うさんくさいイメージがあるので笑笑

け:そうですね、結構まじめにコンサルされました笑笑

ただ、アドバイスに従って顔写真を使うのは初め抵抗があったので。まずは、あの、AIでイラスト作成するやつあるじゃないですか、あれを使って。とにかく、サービスを見てくれた人がとっつきやすい工夫をしていましたね。

筆:「とっつきやすい工夫」!確かに、けむけむさんはtwitterの固定ツイートに「レンタル北大生」のサービス概要を乗せていたり、教養棟にポスターを張っていたりと、いろんなことをされていますよね。

ちなみに、「レンタル北大生」の初めての依頼はどんなものだったのでしょうか?

け:最初にあった人は「就活の自己分析」の依頼でした。自己分析の相談って周りの友達とかに聞くとやっぱり先入観があったりと、いろいろと難しいみたいで。友達に聞くよりも知らない第三者に聞く方が、自分の第一印象を素直に考えるきっかけになるって言ってました。

筆:確かに!周りの人に自己分析の手伝いっていうのはなかなかしづらいかもです!第三者の視点が欲しい就活生と「レンタル北大生」、絶妙にマッチしている気がします。

はじめてまだ間もないとはいえ、けむけむさんは既にたくさんの依頼を受けていると思います。その中で一番楽しかった依頼はありますか?

け:今までに一番楽しかった依頼は、「洋服を選んでほしい」という一年生の子の依頼でした。新しい洋服を買って、純粋にファッションを楽しんでいるピュアな姿を見て、純情だったかつての自分を思い出しました笑

私が失ってしまったピュアな感情を、一年生の子は持っていて、それを見れたのが面白かったですね笑

筆:なるほど、確かに、大学に入りたての一年生のころの感情って、だんだん失われていきますよね笑笑学年を重ねるにつれ、だんだん慣れを通り越して老人のような気持ちになるというか笑笑

け:そうなんですよ笑笑もう純粋なあの頃には戻れないというか。

筆:そういう純粋さが失われたってことは、まあ大学生活に慣れたことの裏返しなのかもしれないですけどね笑笑

け:それは確かにありますね。

自分もそうだったんですけど、一年生って色々不安だと思うんですよね。何をしたらいいのかとか、いろいろなところに行きたいけど、一人じゃ不安とか…。

そういう時にレンタル業が役に立つんじゃないかって、一年生の子の依頼を受けた時は思いましたね。依頼をした一年生は、そういう大学生活に付きまとう不安を解消するきっかけになる。もちろん、自分も後輩と交流できてハッピーです。

自分でいうのもあれですけど、自分が一年生の時、こういうサービスがあったらなあと、サービスをやってて思いますね。

筆:確かに、僕も一年生の頃は不毛な時間を過ごしていたので、そういう時に話を聞いてくれたり、用事を手伝ってくれたりする先輩の存在というのはありがたいと感じます。

けむけむさんのtwitter

筆:私はけむけむさんの「レンタル北大生」という活動に興味があるんですが、けむけむさんの経歴にも興味があるんですね。twitterのプロフィールに書いてある来歴がすごい面白いっていうか。例えば、この「mensa会員」とか。これは本当にmensaの会員なんですか?笑笑

け:はい、一応mensaの会員です笑なんか、mensaはノリで入りました笑

昔、精神科医で知能検査をして、その結果を適当に送ったらmensa会員になってました。完全に、ノリですね笑

筆:mensa会員ってノリでなれるんですね、知らなかったです笑笑

現在、mensa会員としての活動はされているんですか?

け:今は特にやってないですね。

一回、zoomで交流会みたいなものに参加したんですけどそれきりで、2年前くらいかな、あれ。それきりですね。

筆:(おそるおそる)後、twitterのプロフィールに書かれているところだと、「高校中退→高認→虚無」という部分も気になるのですが…。

け:ああこれはそのまんまですね。高1の秋、メンタルの不調で学校に行けなくなってしまって。そこからは学校に行かず、通信課程で勉強をしていました。一年間、誰とも喋らない時期があったりして。本当に虚無の時間を過ごしていました。

私は地元が兵庫なんですけど、虚無の時間を過ごしていた時は、神戸の繁華街で散歩しながら過ごしてました。本当にやることがなかった。なので街を散歩していましたね。

プロフィールの「虚無」っていうのは浪人時代のことです。京都で浪人して、その後北海道大学に来ました。

筆:なるほど、そういう経歴が…。虚無になると散歩するの、すごい分かります笑

僕も高2の夏、同じくメンタルの不調で3カ月ほど学校行けなかったんですけど、学校に行ってない虚無の時間は、山手線沿線をひたすら散歩してました笑なんで虚無の時間を過ごすと、人って散歩したくなるんでしょうね笑

け:いや、ほんとにそうですね笑笑なんもやるつもりはないし、気分も楽しくないけど、とにかく歩く笑笑

筆:笑笑けむけむさんはそんな風に、高校時代・浪人時代を抜けていったと。大学に入ってから、高校の時のような虚無の時間を過ごすことはなくなったのでしょうか?

け:大学に入ってからも虚無の時間っていうのはあって。大学一年生は部活に行って、友だちもいて、普通の大学生活を過ごしていたんですけど、大学二年生が始まる直前に、コロナになってしまって。

筆:ああ…

け:コロナの期間は本当に虚無で。私、コールセンターで土日バイトをしていたんですけど、それ以外だと家から出なかったというか。コールセンターはコールセンターでお客さんに意味不明な怒られ方をしたりして。本当に虚無でしたね。

虚無を感じている時の時間って、本当に良くないと思うんですよ。なぜなら、自分から何も生み出せないからです。例えば自分からサークルを作ってみたり、創作をしてみたり、そういう自発的な行動が起きないんですよ。

筆:確かにそうですね、一人でふさぎ込んで、何もやる気がない虚無の時間というのは本当に「自分から何かをやってやろう」という気持ちが萎縮しますよね。他人が作ったものをひたすらに受容して、けど、後から振り返った時に何も残っていないみたいな。自分の中にはそんなイメージがあります。

け:結局、ハッピーに過ごすためには、人生の虚無の時間をいかに減らすかだと思うんですよ。

例えば一人でyoutubeやtiktokで変な女がクネクネする動画を見る時間、そういう何も生み出さない「虚無の時間」っていうのは生活の中で存在して。けれど、その時間は人と会うことで減らしていけるんじゃないかって思うんですよ。人と会って、虚無の時間を減らす。

そのきっかけとして、例えば「レンタル北大生」のサービスがあったりするわけです。

サービスを利用する人も、そして私も、あったことの人同士が合えば、虚無の時間から抜け出す機会になりますよね。

筆:一人でyoutubeやtiktokで変な女がクネクネする動画を見る時間笑笑

確かに、家で一人でいるとそういう時間ってありますよね、本当に虚無です笑笑そういう時間は、人と会うことでなくなっていくかもしれない…。そのきっかけとしての「レンタル北大生」。いや、面白いです!

け:あと、これはそれとは違うのですが、「レンタル北大生」のサービスを始めてから思ったことがあって。「北大生の交流がもっと流動的になってほしい」っていうのがありますね。

筆:というと?

け:具体的に言えば、先輩後輩関係なく、個人間の交流が活発化すればいいなあと。

普通、大学生ってサークルに入ったり、部活に入ったりして、所属集団の中で人と関わっていくんですよね。でも、①「何かの集団に所属して」→②「関係を作っていく」というやり方とは別の、集団に依らないやり方もあるんじゃないかなって私は思うんです。

例えば、twitterでいえばFFで気になる人がいればDMを送って会ってみる。所属集団や学年を超えて、個人間の交流が進んでいく。そういう流れみたいのはもっとあってもいいと思いますね。

筆:それ、すごいいいですね!もっとカジュアルに、気になる人同士が会うって関係性。例えば今話している僕とけむけむさんもそうなわけで。所属しているコミュニティに依存しない、別の交流の流れが生まれるのは、すごいいいことな気がします! !

筆:では、最後になりますが、「レンタル北大生」のサービスについて、今後の展望をお聞かせください。

け:「レンタル北大生」のサービスは、もっと流行させたいですね。

だって、面白いんですよ。普通だったら会わないような人、例えばさっき言った一年生の後輩の子だってそうですし、そんな、いろんな人たちと会う機会ができるんだから、面白いですよね。普通に、需要はあるんじゃないかなあって思います。

筆:ありがとうございます。確かに、「レンタル北大生を利用したい」っていう、一定の需要はありそうですよね。最近けむけむさんの友人が「レンタル留学生」のサービスを始めたそうで…。需要がある限り、今後第二、第三の「レンタル○○」のサービスが生まれて行きそうな気がします笑笑本日は、ありがとうございました!

まとめ

「レンタル北大生」の第一人者、けむけむさん。

その活動の根底には「人生の虚無の時間を減らしたい」「北大生の、集団に依らない個人間の交流を活発化させたい」というやさしい思いがあることがわかりました。

この記事を見て興味を持った方は、ぜひけむけむさんのtwitter(@chemchemxx)にDMを送ってみてください!

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