ヨルシカ『月光 再演』のライブレポート

雑談

こんにちは、各駅停車です。
2022年3/31(木)に行われたヨルシカのライブ、『月光 再演』に行ってきたときの感想をまとめたいと思います。

『月光 再演』について

『月光 再演』は3/10から3/31に渡って行われた、ヨルシカのライブツアーです。
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2019年10月に行われたライブツアー、『月光』のリバイバルツアーとなっています。
大阪、愛知、東京と三つの場所で開催されました。
ライブでは、ヨルシカの対になるアルバム、「だから僕は音楽をやめた」「エルマ」を再編纂して出来上がった物語が、作曲家n-buna自らによって語られます。

感想


高校の時から、大学生になった今でも、ヨルシカの曲を聴き続けている僕にとって、今回のライブは本当に素晴らしいものでした。
ライブを見たのは、3/31(木)東京会場で行われた、千秋楽の回でした。
ここでは簡単に、ライブの感想を二つに分けて語りたいと思います。

感想①ライブってすごい…(小並感)


この『月光 再演』は、僕にとってはじめての音楽ライブ体験でした。そのため、ライブがどんなものか分からず、会場となる東京ガーデンシアターに行く道中はずっと緊張していました。
しかし、いざライブが始まってみればその緊張は消えました。
何というか、ライブの、その場でしか味わえない体験を受け取ったような気がしました。
ただ、音楽だけがある空間の中で、ギターやドラムの音に体を合わせていくと、自分も音楽と一体化している気分を感じました。これは、ライブに行かないと味わえない…
また、曲を聞いている間、普段自分を極端な情動の変化から守ってくれている、外側の皮みたいなものが、ラップが火であぶられた時のようにじわじわと溶けていくような感覚を持ちました。
空間全部に音が響いていて、それを受け取る器として、自分がいる。上手く言い表せないけど、そういう感覚を持ちました。
その感覚を引き立てるのは、会場の演出の妙なのだと思います。照明や、舞台セットの演出に圧倒されながら、展開されていく歌と物語に、何度も心が持っていかれました。
そして、ライブ全体の雰囲気を束ねる、ボーカルのsuis(スイ)さんの生歌は、音源より上手でした。普通逆じゃないの?良すぎる。

感想② n-bunaも人間なんだ…


このライブで最も印象に残ったのは、「n-bunaも自分と同じ、人間なんだ…」ということです。
ボカロP時代からn-bunaの曲を聴いている僕には、このライブを観るまでn-bunaという存在がつかみどころのない、人ならざるものといった感覚がありました。
なぜなら、メディアへの露出を抑え、ただ淡々とハイクオリティの曲を量産していくn-bunaの姿は、人間を超越した崇高さのようなものを感じさせるからです。
何も思い悩むことはなく、天才的なセンスで、「夏」や「追憶」をテーマに軽々とアウトプットを続ける存在が、僕の中のn-bunaでした。
しかし、その感覚はこのライブで崩れ、「n-bunaも人間なんだ」という気持ちが自分の中を支配しました。
僕がそう思った原因は、曲の合間に展開される、n-bunaのモノローグパートにあります。
『月光 再演』のモノローグパートでは、
「だから僕は音楽をやめた」「エルマ」の主題となる、青年エイミーと少女エルマの物語が展開されます。
けれども、そのモノローグからは、ただエイミーとエルマの物語だけではなく、n-buna自身の人生そのものを想起することができます。

「そうだ。僕は僕の人生で作品を作ろう。」

エイミーという青年の手を借りて紡ぎ出されたこの言葉の中には、n-bunaの覚悟が感じ取れます。

大学に入学してから人間にたくさんあって、新しく大学2年生になる自分は、そんなすごい人たちを見た時に感じる劣等感とどう向き合うかについて、ちょうど考えている時期でした。
そのため、モノローグの中にいる、東京都関町で、音楽や劣等感に思い悩む19歳のn-bunaが、自分と重なるように感じました。
僕は、n-bunaの人生を反映したモノローグを聴くことで、n-buna自身が、若者の時、劣等感や不安に悩んでいたことを知りました。その時、僕にとってのn-bunaが、より近いものに感じられました。

僕が、この『月光 再演』の中で最も感動した曲は、『八月、某、月明かり』という曲です。この曲は、インタビューによればn-bunaの体験を盛り込んでいるとされています。

『歌詞に関しては自分の現実の体験でもあります。それこそ「八月、某、月明かり」の、東伏見の高架橋の下を自転車で漕いで行くシーンだったり』
https://natalie.mu/music/pp/yorushika03

n-bunaが若者時代に抱いていたヒリヒリとした感情が、聴いているこちら側に伝わってきて、それがもう、僕の記憶に、べったりと張り付いています。

まとめ


『月光 再演』は記憶に残る、とてもよいライブでした。
ライブ会場全体の雰囲気から、ヨルシカの物語に深く沈んでいく感覚を抱きました。また、n-bunaの人間性、そしてそれを、自分に重ねる気持ちを、強く感じることができました。
今後も、ヨルシカを追っかけて行きたいと思います。

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